第53巻 第1号
通巻 第1525号

平成19年3月20日発行

目次・表紙絵解説

プログラム

会長講演

近世自家医学遺産の諸分析
田中祐尾

特別講演

大坂の蘭学 解剖を中心に
酒井シヅ

招聘講演

From the Capital of Smoke (Kemuri no Miyako) to the Livable City (Sumigokochiyoki Toshi): “Doctoring”to the Industrial Metropolis of Osaka
Jeffrey E.HANES

シンポジウム 大坂の蘭学史―その背景と展開そして特徴

大坂の蘭学と適塾
芝哲夫

大坂蘭学の実験的・実証的性格
浅井允晶

大坂の蘭学における大坂の除痘館の役割―現地調査をした分苗所を中心に
古西義麿

大坂蘭学発祥の背景
小石秀夫

人・モノ・情報―医学と医療の近代化からみた大阪について
ヴォルフガング・ミヒェル

一般演題

陸軍々医学舎長緒方惟準講述の「陸軍医務沿革史」
中山沃

奨進医会―『医談』から『刀圭新報』へ―
岡田靖雄

大阪病院の人体模型―高橋正純訳『紙塑人体解剖譜』と大江伊兵衛の木製人体模型
月澤美代子

黎明期の京都市学校医会
八木聖弥

大阪宣教師会議から京都看病婦学校へ-「もう一つの近代医療・看護」の細い系譜をたどる
小野尚香

ポンペの病理学総論オランダ語講義ノートの研究
相川忠臣,ハルム・ボイケルス

適塾門下生「備中窪屋郡中嶌 別府真敬悴 別府琴松」について
木村丹,松田俊悟

緒方章公裁譯稿「舎密便蒙」について
有田浩和

適塾の塾頭 松下元芳の系図について-福沢諭吉の一代前の塾頭で親友の筑後久留米藩医-
中山茂春

杉田玄白所蔵のターヘル,アナトミアの所在
寺畑喜朔

病院医療の歴史的始原―わが国の療病院と古代インドの福徳医薬舎
亥口勝彦

けがれの思想の歴史的観察
杉田暉道

中国伝統医學と道教(第27回覺世真経)
吉元昭治

『医籍考』による『四庫全書提要』の考証
郭秀梅

田中彌性園の古医書
小曽戸洋,天野陽介,友部和弘,町泉寿郎,田中祐尾

小腹と少腹の位置
木場由衣登

『挨穴法』 『挨穴明弁』について
田中利江子,橋本典子,山崎陽子

『名家灸選』所収の紐状物を使用した取穴法
鶴田泰平

垣本鍼源の刺絡
友部和弘,石野尚吾

謝観(利恒)と『中国医学大辞典』
天野陽介,小曽戸洋,石野尚吾,花輪壽彦

明治大正までに創設された東京の私立精神科病院
金川英雄

名古屋大学医学部の濫觴
高橋昭

高木兼寛の健康教育観に関する研究(第2報)―臨時教育会議での高等・大学教育改善に関する発言内容から
芳賀佐和子,平尾真智子,蝦名總子

本邦においてヘボンが用いた教科書『衛生・生理学』書について
島田和幸

公衆浴場法における営業者の役割
川端美季

大正期学校衛生史の研究(4)石原喜久太郎
杉浦守邦

江戸時代の電気療法 ―伊藤慎蔵譯本『改正磁石霊震気療説』について
渡部幹夫

日本医薬・博物著述年表の編纂
真柳誠

大坂薬種中買仲間と唐薬の江戸流通
羽生和子

江戸・明治期の貿易・販売資料に見られる西洋式医科器械について
ミヒェル・ヴォルフガング

高野六郎―衛生行政の専門性に関する考え方の形成をめぐって―
横田陽子

ベルツ博士の精神とヘルテル(大阪医科大学)教授
山上勝久

コロトコフ法による血圧測定の普及
藤倉一郎

フロレンス・ナイチンゲールは我が国にどのように紹介されてきたか
上坂良子,水田真由美

ハンガリー医学史瞥見―ゼンメルワイス医学史博物館訪問記
佐藤裕

「オルトペディ」の造語者,ニコラ・アンドリ(1658―1742)(その1)
小林晶

中世の医学者アルナウ・ダ・ビラノバ
泉彪之助

占領期の医療・看護に関する出版物の検閲(3)-長野県における保健婦の活動
大石杉乃,喜多加奈子,平尾真智子,芳賀佐和子

脊椎麻酔事故予防に対する医史学的対策とその効果
松木明知

占領期における急性感染症の発生推移(1945年―1951年)
田中誠二,杉田聡,森山敬子,丸井英二

戦後沖縄の保健・医療行政(その1)―アメリカ統治下の保健・医療システム―
杉山章子

大正・昭和初期における鍼灸医師法制定請願運動
奥津貴子

野口英世訳カールデン著『病理学的細菌学的検究術式綱要』の原書について
殿﨑正明,唐澤信安,岩﨑 一

野口英世の左手の「わが国初の有茎皮弁移植術」
志村俊郎,唐澤信安,殿﨑正明,岩﨑一,寺本明

済生学舎の山田良叔講師と山田訳「蘭氏生理学」について
岩﨑一,殿﨑正明,唐澤信安

日本の口中科免許第一号 佐治職(さじ・つかさ)
樋口輝雄

口内炎の病因に関する変遷
西巻明彦

グラム医師の研究の経過について
会田恵

ヴォランタリ・ホスピタルが拓く地平(1)―セント・ジョージ病院の設立と発展―
柳澤波香

京都岩倉における精神病者家族的看護の衰退理由―ベルギーのヘールとの比較において
中村治

ガレノスとヴェサリウスの解剖学の比較研究(5)―骨を例にとって―
坂井建雄

シルヴィウス解剖学書の情報源―ガレノスとの比較から―
澤井直

『四海同春』について
宮川隆弘

宋代の脈状分類―七表八裏九道脈の変遷
中川俊之

神灯照法について
上田善信

『明月記』の鍼灸
寺川華奈

『南冥問答』にみる「哺」について
小曽戸明子

『古今方彙』各種版本の検討
鈴木達彦,遠藤次郎,中村輝子

『馬琴日記』にみる病と宗教
井川道子

大江雲澤と合水堂
川嶌眞人

『今昔物語集』の中の身体に関わる表現(二)
計良吉則

平野重誠の『玉の卯槌』(1837)にみる凶年後の心得と看護
中村節子,平尾真智子

曲直瀬道三『薬性能毒』の研究
野口大輔,遠藤次郎,中村輝子,真柳誠

道三の姓「曲直瀬」と玄朔の号「東井」に関する考察
遠藤次郎,中村輝子,真柳誠

田中彌性園の古文書・書画
町泉寿郎,小曽戸洋,田中祐尾

『病論俗解集』について
永嶋泰玄,岩田源太郎,大井康敬

谷川士清とその処方集に見られる水銀製剤
西井易穂

私宅監置擁護論の思想的背景―精神医学者ワイガントの日本観を通して―
橋本明

南小柿寧一とその家系(2)―南小柿宗宅
石原力

「癘」についての一考察
吉岡広記

佐藤方定と『大同類聚方』
後藤志朗,根本幸夫

近世大坂の産科学と堕胎術
内野花

愛日文庫蔵「魯西亜漂流之記」は山片蟠桃の著作か
飯塚修三

誌上発表

塩見脩也と蘭方膏薬
中西淳朗

英国医史,中世の例
栗本宗治

出土した中国古代医学文物(展示)
猪飼祥夫

冬虫夏草(広義)渡来の歴史と薬物としての受容
奥沢康正
The 108th General Meeting of the Japan Society of Medical History

編集後記

日本医史学会役員氏名・奥付